今日は、令和7年度 第29問について解説します。

令和7年度賃貸不動産経営管理士試験 第29

借地借家法第32条に定める賃料増減請求権の行使に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

①  普通建物賃貸借契約で、賃料改定は協議により行うという特約がある場合でも、当事者間で協議が調わないときは、賃貸人は、賃料増額請求権を行使することができる。


②  定期建物賃貸借契約で、契約期間中は賃料の増減をしないという特約があるときでも、賃借人は、賃料減額請求権を行使することができる。


③  賃貸人が賃料増額請求権を行使した場合において、賃借人がその請求が到達してから1か月以内に異議を述べなかったときは、賃料は、請求到達後1か月が経過した時点から増額される。


④  賃借人が複数の場合、賃貸人による賃料増額請求権行使の通知が賃借人の一部に対してなされたときでも、賃貸人はすべての賃借人に対し、増額後の賃料を請求することができる。

 

 

解説

賃料増減請求権に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ①

普通建物賃貸借契約で、賃料改定は協議により行うという特約がある場合でも、当事者間で協議が調わないときは、賃貸人は、賃料増額請求権を行使することができる。

 

〇適切です。

賃料改定を協議により行うといった特約が定められている場合であっても、協議を経ずに賃料増減請求を行うことができます。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

定期建物賃貸借契約で、契約期間中は賃料の増減をしないという特約があるときでも、賃借人は、賃料減額請求権を行使することができる

 

×不適切です

定期建物賃貸借契約では、増額しない特約・減額しない特約のいずれも有効とされます。

つまり、定期建物賃貸借契約で、契約期間中は賃料の増減をしないという特約があるときは、賃借人は、賃料減額請求権を行使することができません。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

賃貸人が賃料増額請求権を行使した場合において、賃借人がその請求が到達してから1か月以内に異議を述べなかったときは、賃料は、請求到達後1か月が経過した時点から増額される

 

×不適切です

賃料増減請求権が行使されると、賃料は、その請求が相手方に到達した時点で、相当賃料の額に増額または減額されます。

賃料増減請求は、まず相手方に通知し、通知後に当事者間で合意に至らなければ、裁判手続きを行うことになりますが、
訴えの提起の前に、調停の申立てを行う必要があります(調停前置主義)。
そして、調停でも合意が成立しない場合には、最終的に裁判所の判断によって賃料が決定されることになります。

これらの手続きを経て確定した賃料は、請求が相手方に到達した時点から増額または減額されるということになります。

つまり、賃貸人が賃料増額請求権を行使した場合において、賃料は、請求が到達した時点から相当賃料の額に増額されます。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ④

賃借人が複数の場合、賃貸人による賃料増額請求権行使の通知が賃借人の一部に対してなされたときでも、賃貸人はすべての賃借人に対し、増額後の賃料を請求することができる

 

×不適切です

借主が複数いる場合には、借主全員に対して行使しなければならず、一部の借主に対する請求では効力を生じません。

つまり、賃借人が複数の場合、賃貸人による賃料増額請求権行使の通知が賃借人の一部に対してなされた場合は、賃料増額請求権の効力が生じませんので、賃貸人はすべての賃借人に対して増額後の賃料を請求することができませんよってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

 

 

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